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絶対服従生徒会 2話

生徒会のあれこれがあった後、会長に呼び出される日々が続いていた。
――お茶を淹れろとか、床が汚れたとかそんな事ばかりだけれど
今日も生徒会雑用として、生徒会室の扉を開けた。

そこにはいつもの風景と、
それに何とも言えない空気の原因よく見知った知り合いが居た。
原因の名前は高坂泉
初日、助けてくれたあの高坂くんだ。
「何で高坂くんがここに・・・・・」
「あぁ、かわいいだろ。生徒会の新しい書記」
と、会長が言う
「にしても、何で高坂くん生徒会に入ろうと思ったの?
前まで会長がアプローチしかけてたけど全然乗り気じゃなかったじゃん」
更科さんの話によると、交渉中の書記とは高坂くんのことだったそうだ
会長の変態発言には顔を苦くする。あいかわらずだよなぁ。
「・・・・更科さんには関係のないことだと思いますが」
高坂くんは年上にも容赦なし、冷たく言い放った。
更科さんも負けずと言い返す。
「えー、泉くんってば酷い!
こんなに可愛い湊が聞いてるのに泉くんってば酷いよぅ」
「俺は会長に呼ばれてここに。特に深い理由はありません」
高坂くんは更科さんをスルー
と、そこで僕はある事に気が付く
いつも居るハズのあの人が居ないのだ。
「会長、和希さん、今日は居ないんですか?」
「和希はバスケ部の助っ人だか何だかで今日は来れないらしい」
「へーえ、助っ人に・・・・」
相方の話に気になり始めたのか更科さんが視線をこちらへと向ける。
「あいつ、運動神権だけは良いからねぇ」
僕に持ってないものを持っている和希さんを羨ましく思う。
そこで下校時刻を告げるチャイムが鳴った。
生徒達の自由時間である部活動が終わる。

「それじゃあ僕、買い物があるので失礼します」
と僕は生徒会メンバーに向かって頭を下げた。
今日は母親が遅くなるらしいから夕飯の仕立てに行きたかったのだ。
だが、生徒会室を出ようとしていた足を止めたのは会長だった。
そしてニヤリと意地悪な笑みを浮かべ言う。
「残念だが裕、お前は雑務がある。七十枚ほど」
目の前に置かれた机がドンと音を立てた。
ものすごい量の紙や資料が目の前にある。
「本当は今日俺がやろうと思ったけれど、止めた。
それだと面白くないからな。
―――ククッ、まぁ期待はしてないけどがんばれよ?」
ええと、つまり会長はこれを僕にやれと?
会長はそうおっしゃるのですか。
他メンバーを見る。
どうやらドS心を発した会長を止められるモノはここには居ないらしく、
虚しくも目を背けられていた。
――でも、これは僕に期待してくれているのだろうか?
会長はああ言っていたけれどあれは会長なりの優しさなのかも。
僕は何事もプラス思考にして生徒会の雑務に取りかかる。

「うーん・・・すっかり暗くなっちゃったなぁ。
母さん、怒ってるかなぁ?」
あれから何とか仕事を片付けると時刻は7時を過ぎていた。
我ながらあれだけの量を2時間程度で片付ける事が出来た僕も凄いと思う。
といってもあらかじめ目の通してあった資料に印を押していくという簡単な
作業ばかりだっためそこまで難しいものでも無かったのだ。
あれを会長は全部1人でやっていると聞いた。
今回は偶々多かったのかもしれないけれど、それでもたいしたものだ。
改めてすごい人なんだなぁと実感する。
けれどドSで人使いが荒いのはどうかと思うが。
それもあの人の個性なんだろうなぁ。
と、その時暗闇の向こうからこちらに近づいてくる人影が見えた。
さらにその影はまた一歩、足を動かせる。
その人影が誰なのかは近づく度にライトで分かっていた。
「しかし、何故」と思う気持ちが頭をループする。

その正体とは、僕がこの学園に来て初めて会った自分
――青春学園の学園長だ。
やがて、僕の前にその人は立った。

「やぁ、神代くん。
学園生活はもう慣れたかな」
学園長は不適な笑みで僕に問いかける。
黒いスーツ、隙を見せない態度、見るもの全てを圧倒する瞳。
僕はあまりこの人が好きでは無かった。
失礼かもしれないけれど、はっきりと言えばそういう事になる。
「・・・・はい」
そう短く言い返す。
「ははは、そんなに警戒しないでくれたまえ。
私は君と話し合いに来た、それだけだよ」
「話し合いに、ですか・・・・?」
その言葉は僕を嫌な予感にさせた。

「―――単刀直入に言うと、隼人を裏切って欲しいんだよ」

僕は息を呑んだ。
この人はどこまで本気なんだろう。
確かこの人は会長の実の父親のハズだ。
それなのに、息子を裏切れなんて、本気で言ってるのだろうか。
もしそうなのだとしたら、とんだイカレ野郎だ。
勿論、そんな事は僕には出来ない。
「何故、そんな事を言うんですか」
僕はやっとの事で震えるか細い声を出した。
自分でも情けないもは分かる。
逃げ場をなくしたネズミのようだと思う。
「会長は貴方の息子じゃないんですか?
それなのに、何故そんなことを言うんですか」
――大丈夫、何もひるむことはない。
と自信に言い聞かせる。
やがて、学園長は僕の目を見据えて言った。
「あの子は、未熟だからね。
周りに甘やかされて育ったから何だろうけど、加減というものを知らないだろう?
だから、あの子のお気に入りの君に頼みたいんだよ。
そっちの方が面白いからねぇ
―――それに、あの子には本当は何が1番怖いのか知って貰わなければ困る」
どこか遠くを見る目をして学園長は言った。
にこりと微笑む顔も会長そっくりだ。
「じゃあ、今日はもう遅いし、帰るよ。
君も早く帰りたまえよ、この学園は警備が凄いからね」
と言い、本当に帰ってしまった。
迎えがすぐ近くまで来ているらしく、リムジンで帰っていった。
全てを話し終えると時計は8時を指していた。

翌日、朝のHR
担任が来るまでもう少し時間があった。
隣が空席なことにも気が付く。
どうしたんだろう、高坂くん、休みなのかな・・・・
その時、教室の後ろ戸が開いた。
高坂くんだ。
「おはよう、高坂くん。今日は遅かったね、何かあったの?」
「あぁ、寝坊した」
「え、それって大丈夫なの?」
「大丈夫だ。現にHRには間に合っているし、それならば此処には居ないハズだろう」
「あ、そっか」
初日から約2週間、僕らは言い合えるくらいの仲になっていた。
といっても、生徒会メンバーになった事には驚いたけれど。
「――お前、疲れてるんじゃないか。
昨日俺たちが帰った後に何かあったのか?」
と高坂くんは少し心配するように瞳を覗き込む。
う・・・・そんなに分かり易い顔してたのかな
高坂くんは近くで見るほど綺麗な顔してると思う。
でも、心配してくれている時にこんなことを思うのは失礼かもしれない。
僕は必死にその場を取り繕い、否定する。
「ううん、何も無かったよ。心配しないで」
高坂くんに、何も無かったようににこっと笑った。
―――やっぱり、昨日のことは言えない。
会長のことを信じて居たいから、味方で居たかったからだ。


放課後の生徒会室
今日は昨日とは違い、全員が集合していた。
更科さんがにこやかにお茶とお菓子を持ってきてくれた。
「今日はセイロンティーとシフォンケーキだよ~、調理実習の時に作ったんだ~」
そう言ってシフォンケーキを差し出す更科さん
どうやら料理の腕はなかなかのもののようで美味しそうに思う。
だが隣で和希さんがまるで怖い物でも見るかのように顔を青くしている。
「・・・悪い、俺どうも湊の作るものだけは昔から本能が食ってはいけないと俺の中の存在が否定しているんだ」
高坂くんは「そういうことか」と納得したような顔をしてシフォンケーキを見ていた。
そんな二人の表情を見て更科さんは頬を膨らませた。
未だこの状況についていけていない僕は完全に蚊帳の外だ。
「そんなこと言うなら和希にはケーキあげないもん。今日は裕くんに食べて貰おうと思って作ってきたんだもん」
と更科さんは僕に笑顔を向けた。
・・・何故だろう、美味しそうなのに僕の本能も逃げろと訴えかけている。けれど、食べない訳にはいかないよね
「えっと、それじゃあ頂きま――」
「いや、裕。ちょっと待て」
和希さんが言った、そしてこう続ける。
「湊、お前これ何入れた?お前の料理がいまいち信じられないんだけど」
「えー、なにそれ酷くない?何って普通に・・・隠し味に水飴とキムチ入れただけだよ。普通でしょ」
その途端、この場に居た全員が紅茶を吹きだした。
キムチ?水飴?それ絶対シフォンケーキに入れるものじゃないよ!水と油だよ!!
「お前、それもはやシフォンケーキじゃねーだろ。というかそれを人に出すな、頼むから」
それには僕も同意だった。食べなくてよかった・・・。

あれから一段落し、生徒会室にはおだやかな空気が流れていた。
「そういえば」と更科さんが口を開いた。
「会長遅いねー、会議長引いてるのかなぁ」
「ぽいな。ここに来ないということはそういうことだろう」
会長は今生徒からの案を先生達に提出しに行っている。
あまり大勢で行くのはあれだとかで一人で行ってしまったのだ。
あれから結構な時間が経っている。
――キィィと扉が開いた音が響く。会長だった。
「会長!遅かったですね!何かあったんですか?」
「あぁ。ちょっと会議が続いたからな。例の一件な、おめでとう。通ったぞ。反対意見があったけど俺の権限でなんとかしといた」
「わぁ・・・ありがとうございます。さすが会長ですね、かっこいいです!」
僕は会長に向けてえへへと笑ってみせる。
会長が疲れているのなら癒してあげたい。僕は会長の為になることをしてあげたい。
会長が顔に薄い笑みを浮かべた。そして左手を僕の頬に当てた。
「えっと、会長。どうかしましたか?」
僕は会長の様子が少しいつもと違うような気がした。
それに、この状況はどういう――
「いや、それよりも裕――可愛いな。やっぱり、俺はお前が運命の人だと思うよ」
いきなりのことで僕はぎょっとして言葉が出てこなかった。きっとここに居るメンバーも同じだろう。
まさか会長がこんなことを言うなんて・・・冗談だよね?
さらに驚くべきことがもう一つ、会長は僕の体の至るところにキスをしているのだ。
首筋、腕、手首、指先――次々と会長の熱で侵されていく。
体中が――熱い。
「なぁ、裕。キスしていいか?」
「は!?ええええ!!い、嫌です!!!」
「ふ・・・、嘘だな。嘘つかなくていいぞ、俺には分かっている。お前は俺が好きなんだろう?」
「ええええええ!?ちょ、会長何言ってるんですか!もーやだなぁ」
「分かっているか?裕・・・俺は初めて見た時からお前のことが好きなんだ。俺は――お前の奴隷だ」
「・・・!?え、会長!?いったいどうしたんですか!?」
「だから――お前は大人しく俺のものに・・・――・・・ぐう」
「もう会長!いったい・・・って寝てる・・・?」
むにゃむにゃと会長は寝息を立てて寝ていた。
「ありゃー、会長寝てるねー。こんなになるなんて、よほど疲れがたまってたのかなあ。会長、ここ数日頑張ってからね。裕くん、少しついててあげたらどうかな」
「そうですね。僕、会長が起きるまで傍についています」
「そうか。暗くならないうちに帰るんだぞ」
「うん。皆も気を付けて帰ってね」
「ああ。じゃあな、裕。また明日」
「うん、また明日」
生徒会の皆に手を振りさよならを告げた。もう外も暗いし、下校時間が近づいてきていた。
会長・・・よく寝てるなぁ。更科さんが疲れがたまっていると言っていたけど僕にはそんなこと感じなかった。
それは、会長が周りに気を使って気づかせないようにしていたからだと思う。
さすがだなぁ会長。すごいなぁ会長。
さっきは嫌だなんて言ったけれど、実は全然嫌じゃなかったりする。それは、僕が会長のことが好きだからだ。
最初は最悪な印象しかなかった会長にいつの間にか、惹かれていた。
会長は綺麗な寝顔ですやすやと眠っている。キス、したい。その唇に。会長にキス――――してもいいよね。
反則だと思いながら僕は寝ている会長の唇に自分の唇を押し付けた。
「・・・ん」
ちゅ、と微かに唇を触れ合わせた結果、会長はまだぐっすりと眠っていた。
よく眠っているなあ。今はゆっくりと、休んでください。おやすみなさい。
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